電気機関車牽引+ワム80000の長編成で人気のあった東海道本線製紙輸送列車は2軸貨車独特の走行音を響かせながら走っていた
EF65-1001・EF65-1005・EF65-1088 東海道ワム貨(製紙輸送貨物列車)
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新鶴見陸橋で越谷ターミナル〜静岡貨物間の製紙
輸送ワムの返却貨物3461レの撮影を行いました。
EF65-1088は常用減圧促進改造工事を施工されて
ナンバープレートが赤色になった姿でワム22両を
従えての通過となりました。
編成に連結されたワム80000のうち「貨物ブルー」
の車体色のものは1975年から1981年までに製造
された走行安定対策車をベースに軸受部分を従前
の平軸受からコロ軸受に改造したワム38000番台
の保守向上車です。撮影を行った2004年当時では
未改造で「とび色2号」の車両と混結で運行されて
いました。
2012年3月17日のダイヤ改正では製紙輸送が廃止
され2軸有蓋貨車ワム80000は全車が引退し廃車
されてしまいました。
2004.8.31 撮影 尻手〜新鶴見
東海道本線ではコンテナ輸送が主流の時代になって
も有蓋貨車ワム80000を使用した貨物列車が首都圏
や関西方面へ工場線直結で紙製品を送り出す目的
で設定されていました。
積荷の紙製品は春日井の王子製紙、吉原の日本大
昭和板紙及び富士の日本製紙の各工場から積み込
まれワムによる大量輸送が続けられていました。
東海道ワム貨は稲沢を拠点とし越谷貨物ターミナル、
春日井、梅田で運転され、春日井〜新座(返空)〜
吉原〜梅田(返空)〜稲沢(返空)〜春日井・ 吉原
という複雑な運用をする紙輸送列車でした。
馬入橋の撮影地ではワム貨にEF65-1001が入ると
いう情報が友人からあり撮影を行うことにしました。
EF65-1001はワム80000を25両従えた長大な編成
で通過していきました。
2003.7.24 撮影 茅ヶ崎〜平塚
国鉄の標準的な有蓋貨車として1961年から製造さ
れたワム80000は製造総数26605両で最も多く作ら
れた貨車でした。コンテナ同様フォークリフト等に
対応するため側面はどこの扉も開ける構造になって
おり床面はJIS規格パレットを14枚敷ける広さがと
られていました。
工場で生産されたロール状の紙は5tコンテナよりも
ワム80000の方がスペースに無駄なく積むことが出
来ることや最大積載荷重15tで車体長9mの2軸車
ながら走り装置が二段リンク式であるため75km/h
運転が可能であったことから東海道本線製紙輸送
列車のコンテナ化は行われませんでした。
製紙輸送列車3460レがEF65-1005の次位にタキ
3両を連結し茶ワムと青ワムを混結した編成で来
ましたがヘッドライトを輝かせながら接近してく
る電気機関車の姿が印象的な撮影となりました。
2004.7.6 撮影 根府川〜早川