栄光のキハ５２・さようならキハ５２

岩泉線について

岩泉線は２０１０年７月３１日に発生した土砂崩落脱線事故により以来全線が運休となっていましたが
復旧は断念されて、２０１３年１１月８日にはＪＲ東日本から国土交通大臣に廃止届が提出されました。
２０１４年４月１日には、全線が廃止になりましたが廃止のセレモニーは行われませんでした。

「さようならキハ52号」は、「栄光のキハ52号」
宮古行きとして到着した国鉄気動車標準色２両
に盛岡色の３両を連結して編成されました。

堂々のラストランとなる５両編成のさようなら列車
は15時49分に宮古駅を発車しました。

撮影地の天候が変わって露出が厳しくなりました。
なんとか「さようならキハ52号」の走行シーンを
撮影したく宮古駅に近い踏切の撮影地では角速度
ゼロに近いアングルでの撮影を行いました。

日没が迫り気温もグッと下がったなか５両全てが
排気煙を吹き上げながら最期の力走してくる姿
は、とても感動的なシーンとなり撮影しました。
2007.11.24　撮影　宮古～千徳　

「栄光のキハ52号」は茂市駅に到着すると駅では
大勢の鉄道ファンに囲まれました。

茂市駅では11時39分から12時00分まで停車して
宮古行き編成と岩泉行き編成の２編成２両づつに
編成の分離が行われました。

特別運転の列車にはサボが装着され乗車した方
には車内で記念乗車証の配布や記念てぬぐいが
配布されるなどの乗車特典がありました。別れを
惜しむファンは到着したキハ52の編成を駅構内や
敷地外の隣地から存分に撮影を行いました。

分離の時間を利用してレンタカーで岩泉線沿線
へ先回りをして岩泉線内での撮影を行いました。
2007.11.24　撮影　茂市駅　　　　　

編成と風景に続いての撮影では前面中心の記録
でした。山田線の風景は実に素晴らしく１日限り
の４両運転では惜しい気持ちにもなりました。

撮影は長い坂を下ってきた「栄光のキハ52号」を
道路と並走する区間の小さな築堤の上に編成を
乗せての通過シーンで行いました。

山田線のローカル色たっぷりの沿線に国鉄時代
の姿そのままのキハ52が運行されました。

大糸線のキハ52とは違い国鉄時代そのままの
車両と編成での運転は、多くのレイルファンに
とって魅力的なものとなりました。
2007.11.24　撮影　箱石～陸中川井　

茂市駅を12時00分に発車した岩泉行きの列車は
２両編成で岩泉線の山線をゆっくりとした速度で
ディーゼル音を響かせながら登ってきました。

岩泉駅側のホロは「栄光のキハ52号」とは様子が
全く異なる国鉄型気動車標準のクリーム色で枠が
塗装されているなど車両のバリエーション豊かな
撮影となりました。

満員の乗客を乗せたキハ52形がエンジン音も高ら
かに岩泉線内を走行してくると、冬枯れした木々に
囲まれ降雪の痕跡をところどころに残した撮影地の
モノクロームな風景の中でヘッドライトを点灯した
国鉄気動車標準色２連の車体色だけが鮮やかに
映えて写真に彩を添えてくれました。
2007.11.24　撮影　押角～岩手大川　　

岩泉駅に12時54分に到着した「栄光のキハ52号」
は16分後の13時10分に岩泉駅を折り返しで発車
して岩泉線を走るキハ52形の最終運用の仕業に
つきました。

築堤上を走行する人気の撮影地では大勢の鉄道
ファンが「栄光のキハ52号」を撮影しようと
カーブ付近にはカメラの砲列が並びました。

13時46分に岩手和井内駅を発車した列車が定刻
どおりに眼前を通過すると、撮影地には連写撮影
のシャッター音が響きわたった。

ローカル線の大カーブを過ぎると惰性運転に切り
換えた列車はコトコトと山線を下って行った。
2007.11.24　撮影　岩手和井内～中里　

2007年11月24日にキハ52形が山田線と岩泉線の
定期運用のラストランを飾りました。

JR東日本では今回の改正によって盛岡地区からの
キハ52形が引退さよならの最期の運転となる事を
記念してJR東日本の盛岡車両センターに所属する
国鉄気動車標準色のキハ52形４両を使用した記念
列車の運転を行いました。

専用のヘッドマークを掲出し引退の記念列車として
１日限りで運転された列車は「栄光のキハ52号」と
して運転されました。

盛岡～茂市・茂市～岩泉・茂市～宮古での運転と
なりましたが盛岡～茂市だけは引退にふさわしい
編成美も見事な４両編成で運転されました。
2007.11.24　撮影　山岸～上米内　　

撮影はレンタカーを借りて追いかけ撮影を行いまし
たが沿線には大勢の鉄道ファンが詰めかけて道路
が大渋滞していました。

撮影では「栄光のキハ52号」の走行シーンを見なが
らレンタカーを運転して駅停車で列車を追い抜いて
の撮影を繰り返しながら、秋の深まった山田線沿線
を下りました。

岩泉線岩泉行きの２両と山田線宮古行きの２両が
併結された４両編成での運転は往路の運転区間で
山田線の茂市駅まで続きました。

国鉄気動車標準色キハ52形の堂々の４連での運転
は追いかけ撮影をする多くのファンを魅了しました。
2007.11.24　撮影　平津戸～川内　　